大山北壁・弥山尾根 平成20年3月8日 メンバー=方山(丹波山岳会)・須藤(神戸岳志会)
 平成20年3月7日午後3時40分、スッチーが呼込む雪雲は半端じゃない。大山寺の国道は一気に真っ白に変身、FRのBMWはドリフトしながら何とか駐車場にゴールイン。それにしても凄い降り方である。「敗退」と言う言葉が蝶のように脳内を駆け巡る。
 30分ほどするとやや天気が持ち直し、気を取り直してすばやく装備をまとめて大山寺から元谷を目指す。元谷には午後6時に到着。 
 テントを張ってジョニーウォーカーで一杯やってから晩飯を食べ終わる頃、一組のパーティーが到着。夜遅くにご苦労なコッチャと思う。(翌日山岡さんであったことが分かりました)
 翌朝と言うか真っ暗な時間に5人ほどテント脇を通過、その時「バッシ!」と張り綱を2回引っ掛けられる。外で「ドウモ、ドウモ」と断りの言葉が鳴り響く。そんなことで予定よりも早く起きて5時前から出発準備。
 今日は気温が上がりそうなので「ビーコン・スコップ・ゾンデ」の確認を慎重に行う。それでは6時25分に出発した後はこんな感じでした。
 別山に向かう山岡さんらと分れ、弥山沢のデブリの上を越えてトラバースする。後方でゴンチャンが雪崩に備え待機。ホンで膝上のラッセルに苦しむスッチー。   弥山沢トラバース後取り付きまでがまた凄いラッセル。50mくらい進むのに30分 かかる。右上が別山で中央が弥山沢。左が弥山尾根末端。ブッシュはほとんど雪  に埋もれ真っ白な綺麗な尾根が続いている。
 2ピッチ目からスタカットで進む。でもこの直前に雪面に穴が開いたので中を覗きこむと垂直な岩と雪壁に人間がスッポリ入りそうな隙間がかなり下まで続いておりその先に見える真っ暗な空洞に少々ビビッてしまった。  別山では多くのパーティーが取り付き「ビレー解除!」などの声が響き渡る。真中あたりに山岡さんらが登ってます。それにしても綺麗な空と岩稜でした。
 中間付近のナイフリッジです。スノーバーとバイルでアンカーをとり強度をテストしましたが、埋設をいい加減に行うと80KGしか強度が出ませんでした。   5ピッチ目の雪稜です。空と真っ白な稜線が綺麗でリード先のスッチーじゃなくて空ばかり見ていました。
 別山から8合目にトラバースするクライマー達です。ここが核心部かのようにかなり時間をかけておられました。純白の弥山が綺麗でした。   1650m付近でタイインを解く。振り返ると僕たちが登ってきたルートに4パーティー  くらいが順番に登ってきている。ステップがついているので皆さんソロで登っている  。純白の雪面を一番乗りで登らせていただいて感謝。
 弥山頂上に向けて最後の雪稜を快適に登る   頂上小屋は屋根がかろうじて膨らんでいる程度。この下に天然記念物「大山キャ ラボク」が静かに春を待ってます。秋に食べたアノ赤い実が懐かしい。
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