槍ヶ岳・北鎌尾根 平成20年8月2日〜4日 丹波山岳会 メンバー=山添・菅谷・(須藤)・方山
 

 1日目=上高地7:40→横尾10:00→水俣乗越13:50→北鎌沢出合15:30
  2日目=北鎌沢出合5:30→北鎌のコル7:40→独標10:00→槍平14:00槍ヶ岳15:30→殺生ヒュッテ17:00
  3日目=殺生ヒュッテ5:50→上高地12:00



  「○○ツチー石落としたらアカン!」「○○ヤ!石落とさんといてー」そう言う私もかなりの落石を起こしている。天狗沢・四ノ沢・五ノ沢に落とした量は軽トラック1杯分できくだろうか?夏の北鎌のトラバースは落石の巣であった。

 朝の上高地から槍沢ヒュッテ、水俣を超え北鎌沢出合に着いたのが夕刻、槍ヶ岳を振り返ると怪しい雲が早いスピードで駆け抜けている。出合にはテントが6張りほどあり、すでに夕食をされているようである。

  10年前に来た時には出合のテント場は砂地の河床がたおやかに広がり別天地のようであったが今日着てみると河床が削られ大きな岩がゴロゴロしておりまったく違った様相になっている。細々とした岩と岩の間になんとなくフラットな窪地を見つけ二張りのテントを設営する。夕食は軽量化のため殆んどがフリーズドライ品、でも酒類は豊富でウィスキーが1.5g、焼酎が少々、これでは何のための軽量化か分からない。暗くなる頃にはそれぞれのパーティーの煙も治まり、あたりは沢の流れの音だけとなる。

  夜、満天の空を見ていると運よく3つの流れ星を見ることが出来た。これほど綺麗な星空に出合ったのはいつ頃だっただろうか。

  翌朝、5時30分出発、他のパーティーは全部出発済み。早いところは3時には出て行ったようである。我々と気合の入れようが違う。朝一で北鎌右俣を2時間少々かけて登り、そこから独標までは縦走路のような快適な道を進む。

  独標は正面から登ることも出来るが今日は千丈沢側を巻く。巻きついでにP11からP15まで一部を除いてすべて巻き通したが途中一箇所巻き違えて皆さんにいらぬパワーを使わせてしまう。正解の道はいくつもあるので別に間違えたわけでもないないが、やはり危険なところを通ることが間違えたことになるのかは良くわからない。

  この危険な巻きで先程追い越した後続の学生2人を30分ほど待たせてしまう。でも少し前にスッチーが岩間に入り込んで登れなかったこの内の一人のケツを押し上げて助けているので我慢してもらうことにする。

  こんなことで時々ロープに頼ることになったが午後2時やや疲れ気味で槍の基部に到着した。ここでラーメンなんか戴いてからいよいよ本峰の登りとなるがわざわざ難しいところを選ばなければ非常にスムーズに頂上に抜けることが出来る。

  最初は左通しで傾斜がきつくなった頃更に左に回りこんでから右上し例のチムニーのところに出る。このチムニーの基部から右のフェースを登り左上してから右に回りこむと皆さんが出迎えてくれる祠のところに出る。

  今回は練習もかねてフィックスにマッシャーで確保していただいてチムニーを抜けた。頂上には何人かのお客さんが出迎えてくれる。

  登頂を祝ってから槍ヶ岳山荘に到着、あまりの人とテントノの多さに尾っぽを巻いて殺生ヒュッテに向かう。こっちは打って変わって閑古鳥が鳴いている。ビールで乾杯し今日の一日を振り返る。

  「北鎌尾根」山を志す者はよほど変わった者でなければ一度は登りたい憧れを抱く言葉である。実際、現在バリバリに活動されている方やされていた方の殆んどは、季節による難関を問わず、初心の頃登られた思い出のルートだと思う。今日の我々のパーティーも一歩一歩を噛み締めながらその歴史を思い浮かべ辿っていただいたに違いないと確信してる。
8月2日午前7時40分快晴の上高地から出発
ババ平のテント場とこれから乗り越す「水俣」を望む
水俣乗越しの上部お花畑を進む
水俣乗越で一緒になった8人パーティー(ジャイアンのお腹そっくりさんが居ります) 水俣の降り・この後8人パーティーからの落石の嵐(左側に落ちてきます)
北鎌沢出合の状況・河床がえぐれ昔の面影はない 独標手前のP9付近を行く3人
P9ピーク付近で疲れ気味になってる○○ヤ・でも景色は最高です     P11付近の巻きにて・ミヤマオダマキが見守ってくれているようです。
快適な巻きが続く踏み後には可憐な高山植物が咲き乱れています。 例の学生2人の内の一人のケツを押し上げるスッチー
落石犯人を見守る学生2人(後方の凹み部に待機中) いよいよ槍が間近に見えますが岩稜がまだまだ続きます。
最高の岩稜縦走が続きます。綺麗過ぎてもったいない感じです。 多分P13の登りだと思うのですが?3級程度のフリーになります
これもP13の登りです     まだまだ美しいところが続きます(後方は大天井岳)
ひっそりと咲くミヤマアケボノソウ(個人的に気に入っている) いよいよ北鎌平を目指して登ります。その先の本峰が圧巻
本峰取り付き付近(基本的に左寄りを登ります) 本峰の半分程登ったところの状況
独標がはるか後方に聳えています。 本峰を三分の二程登ったところの状況(更に左に回りこみます)
フリクションノットによる確保で登る練習をしていただきました。 槍ヶ岳頂上にて記念写真。雲が湧きあがって綺麗でした
リトルソウル状態の槍ヶ岳ヒュッテの状況 まだまだソウルからの団体様が登ってこられます。(槍沢上部にて)
雨のカッパ橋にて(景気がいいのでしょうかねー?)
エー殺生ヒュッテのテント場にて(槍に見守られて寝ます) お世話になったパサートと宝タクシー(平湯から駐車込み6000円は得だと思います)
戻る TOPに戻る